講演会詳細


群馬大学アナログ集積回路研究会


題目: 「回路の歴史  〜先人たちの苦労、今に残る混乱」
講師: 源代裕治先生(ザインエレクトロニクス)
日時: 2019年10月15日(火)16:00-17:30
場所: 群馬大学理工学部(桐生キャンパス)3号館509号室(E大教室)
概要: 200年に及ぶ電気の歴史を眺望します。
電気という不可思議なものに魅了された先人たちの苦闘が
ダイナミックな歴史を形作っています。
回路もまた、歴史とともに変化してきました。これからも
きっと変化してゆきます。今を学ぶだけでは不十分なのです。

歴史を学ぶことで、今日常識になって定着しているものたちが、
どこが必然で、どこが偶然であったかが見えてきます。
仮説が不合理なまま定着してしまったものが意外に多いことに
驚くかも知れません。

源代先生からのメッセージ: 技術は変化する。電気のように長い歴史がある分野でも、ずっと変化し続けてきた。現在の技術も完成したものではない。
将来のことは分らないが、過去の技術を振り返って現在の視点から眺めてみると、未来を照らす知恵ともなろう。
以て、偉大な先人たちの苦闘を偲び、困難な問題に立ち向かう勇気となさん。
私の担当分5回分の講義では、このような趣旨で、回路の歴史を現在に繋がる視点から散策しようと思う。
良く知っていると思っていることも違う方向から眺めると、きっと楽しい発見がある(といいな)。
各回の大まかなテーマを記す。回路を鑑賞するのに必要な回路理論は、授業ではめったに学ばないので、
その素養をざっくりと養ってから、概ね時代順に、能動素子に応じて工夫された回路を味わって行こうと思う。
回路方程式は殆ど使わない。式を使って分かることも重要だが、式がない方が良く分かることも多いのである。
その代わりにシミュレーションなど当時は使えなかったツールも、使えるものは躊躇なく使う。