2003年4月 群馬大学工学部ニュースに掲載
近未来のエレクトロニクス産業を支える研究・教育で第6回「横山科学技術賞」を受賞
電気電子工学科 教授 小林春夫
このたび大変栄誉ある賞を受賞いたしまして非常に感激しています。
授与式で「横山賞」設置の経緯と主旨に関しますお話をうかがい、諸先輩の群馬大学を思う気持ちに胸が熱くなる思いです。
横山先生をはじめといたします諸先生・関係の皆様に厚く御礼申し上げます。
私は6年ほど前の1997年4月に群馬大学に着任いたしましたが、着任以来、大学および大学教員に対して世間は暖かいと思える経験を何度もいたしました。
「大学冬の時代」と言われますが実際は「大学春の時代」であろうと実感しております。様々な人がいろいろな形で大学および大学教員をサポートしてくれます。
今回の横山賞を受賞できたということもその一つであると思います。
このように世間が大学に対して暖かいのは、大学が次の世代を担う若者に対する教育機関であるのが大きな理由であり、教育は力を入れてやらなければならないという気持ちになります。
もちろん「高いレベルの教育」をするためには「高いレベルの研究」をしなければならないことは自覚しています。
大学で勤務時間の多くを自分の研究のために使用して、そこでの研究成果を外部発表し自分の研究室のステータスを上げることができるという環境は非常にありがたく思います。
今回受賞の対象になりました私の研究分野は「半導体の回路設計分野」でありまして、エレクトロニクス・半導体産業界に密接に結びついた分野です(写真)。
幸い群馬県には大泉町には三洋電機が、また高崎には日立製作所があり、これらの地元の産業界・公的研究所と密接に交流し技術情報の支援・経済的支援等を受けてきています。
また学内ではSVBLという立派な研究施設を使わせていただき、また同僚の先生方、研究室の学生に恵まれ、非常によい環境で研究を進めることができています。
次の世代のための「教育」と「研究」を通じて「横山賞受賞者」の名前に恥じないよう群馬大学および社会の発展に貢献していきたいと思っております。
これまでお世話になりました学内外の方々に誌上をかりまして御礼を申し上げます。
群馬大学SVBLで地元産業界と共同開発した、
携帯機器用高効率電源回路のチップ・レイアウト写真。
研究室の大学院生の新しい回路のアイデアで設計されている。