田中紘資先生(群馬大学非常勤講師、三洋電機OB)
学部3年[集積電子回路工学]LSI設計講座
半導体理工学研究センター(STARC)殿から
テキスト等の講義資料の支援を受けています。
「集積電子回路工学」シラバス
2007年10月2日
担当者(非常勤講師):田中 紘資
科目名:集積電子回路工学
【キーワード】
LSI、設計フロー、動作合成、論理合成、チップレイアウト、LSIテスト、システムLSI。
【授業の目標および期待される学習効果】
電子機器の中核部品であるシステムLSIの開発技術を体系的に理解することを目標とする。この授業を履修することにより,システムLSIの開発設計手順、設計工程の作業内容、大規模LSIの自動化設計技術を理解することができる。
この授業は教育目標の「2(a). 電子材料,電子デバイスの知識を身につけ,素子の設計開発に応用できる基礎能力を修得する」に関連するものである。
【授業の概要】
システムLSIの役割、変遷、開発事例を学習する。
システムLSI設計として、機能・論理設計とその検証からレイアウト設計までの手順、並びに高付加価値化技術(低消費電力、テスト容易化等)の概要を体系的に学習する。
システムLSI設計者として、論理設計、レイアウト設計を理解して、設計初期段階から物理設計を意識して設計することの重要性を学ぶ。
【授業内容のレベル】
論理回路、電子回路、CAD、プログラミング基礎の初歩に関する知識があることが望まれる。
【履修資格】
カリキュラム委員会の指示に従う。
【この授業の基礎となる科目】
カリキュラム委員会の指示に従う。
【次に履修が望まれる科目】
カリキュラム委員会の指示に従う。
【関連授業科目】
半導体工学、集積回路プロセス工学、電子回路設計、集積回路システム工学、プログラミング基礎。
【テキスト/参考書】
テキスト:STARCテキスト「LSI設計」編
参考書:菅野卓雄監修・堀口勝治 編「ULSI設計技術」電子情報通信学会編(1993)
【授業の形式】
テキストを基本とした液晶プロジェクターによる説明の講義形式。適宜、補足資料をプリント配布。
【評価】
基本的に期末試験(100点)で評価.60点以上を合格とし,60~69点をC,70~79点をB,80点以上をAとする.(S評価が学則にあればのせる.)
【メッセージ】
先端LSI技術、更にデジタル民生機器までの関連を習得して、学問と産業の関係を理解する
【オフィスアワー】
15:20~16:50
【授業の展開】
第1回 システムLSIの役割、変遷、課題を学習する。
第2回 設計手順の概要、システムLSIの主要な構成要素のマイクロプロセッサIPを学習する。
第3回 メモリIP、バスシステム、IP活用事例を学習する
第4回 主要な構成要素である、オーバサンプリングAD変換器&DA変換器を学習する。
第5回 機能・論理設計工程の記述言語(動作、RTL)概要と動作合成の原理を学習する
第6回 機能・論理設計工程の動作合成の応用について学習する。
第7回 機能・論理設計工程の論理合成について学習する。
第8回 システムLSIの機能・論理設計工程の検証手法を学習する。
第9回 レイアウト設計工程のモジュール・レイアウト、モジュール・ライブラリ等を学習する。
第10回 レイアウト設計工程のチップレイアウト、フィジカル設計検証、DFM等を学習する。
第11回 システムLSIのタイミング検証、低消費電力設計の概要について学習する。
第12回 テスト容易化設計(容易化設計基礎、テストパターン設計、故障検出等)について学習する。
第13回 システムLSIの設計事例(NC制御、デジタルカメラ)について学習する。
第14回 設計事例(カスタムプロセッサ、携帯電話ベースバンド、携帯電話アプリケーション)。
第15回 単位取得試験。
表1.科目名と対応する教育目標
科目名 |
教育目標(下記参照) |
(教養科目)学修原論 |
4 (カリキュラム委員会で決定後,担当者が作成) |
(教養科目)技術者原論 倫理 |
4 (JABEE-WGが他科と調整) |
(専門A) |
|
電気電子工学実験I~Ⅴ |
4と5 |
卒業研究 |
4と5 (教務委員が作成) |
物性基礎 |
1または2(a)を選択してください |
電磁気学Ⅰ |
1 |
電気回路Ⅰ |
1 |
電磁気学Ⅱ |
1 |
電気回路Ⅱ |
1 |
電子回路Ⅰ |
1または2(c)を選択してください |
基礎電気数学 |
1 |
電子回路Ⅱ |
1または2(c)を選択してください |
計算機工学 |
1または2(c)を選択してください |
電磁気学演習 |
1 |
電気回路演習 |
1 |
(専門B) |
|
電子物性工学Ⅰ |
2(a) |
電子物性工学Ⅱ |
2(a) |
電気電子材料 |
2(a) |
半導体工学 |
2(a) |
電子デバイス工学 |
2(a) |
集積回路プロセス工学 |
2(a) |
発変電工学 |
2(b) |
電気機器 |
2(b) |
パワーエレクトロニクス |
2(b) |
高電界工学 |
2(b) |
プラズマエレクトロニクス |
2(b) |
電力系統工学 |
2(b) |
電気機械設計及び製図 |
2(b) |
光工学 |
2(b) |
電磁気学Ⅲ |
2(b) |
光回路工学 |
2(b) |
制御工学 |
2(b) |
電気電子計測 |
2(b) |
電子物理計測 |
2(b) |
システム工学 |
2(b) |
情報理論 |
2(c ) |
通信伝送工学 |
2(c ) |
高周波回路工学 |
2(c ) |
画像工学 |
2(c ) |
基礎電子工学Ⅰ |
2(c ) |
電子回路設計 |
2(c ) |
集積回路システム工学 |
2(c ) |
プログラミング基礎 |
2(c ) |
ディジタル信号処理 |
2(c ) |
プログラミング演習 |
2(c ) |
基礎電子工学Ⅱ |
1または2を選択してください |
電気法規・施設管理 |
2 |
特許管理 |
2 |
機械工学 |
|
通信方式 |
2 |
電気化学 |
|
インターンシップ |
(教務委員が作成) |
電気電子工学特別講義I~Ⅳ |
(教務委員が作成) |
他学科等の科目 |
教育目標
(1) 数学,自然科学,およびコンピュータ利用の基礎知識を身につけ,論理的思考により科学,工学問題に応用できる能力を修得する。電磁気学,電気回路などの電気電子工学の基礎知識を修得する。
(2) 電気電子工学に関する専門知識を身につけ,本質を理解し,それを応用する能力を修得する。
(a) 電子材料,電子デバイスの知識を身につけ,素子の設計開発に応用できる基礎能力を修得する。
(b) エネルギー変換や光エレクトロニクス,計測制御技術の知識を身につけ,最適なシステムの設計開発に応用できる基礎能力を修得する。
(c) 情報通信やコンピュータのハードウェアおよびソフトウェア技術の知識を身につけ,情報および回路システムの設計開発に応用できる基礎能力を修得する。
(3) 国際人として幅広い教養と技術者としての高い倫理観に基づいて,多面的客観的に物事を捉える能力を修得する。
(4) 設定された課題だけでなく,自らも問題を発見し,それらを計画的に仕事を進めて解決する能力を修得する。
(5)実験や研究結果を論理的にまとめて発表・討論できる能力,および英文技術資料の理解や英語でのコミュニケーション基礎能力を修得する。