題目: | 「回路の歴史 〜 先人たちの苦労、今に残る混乱 〜」 |
---|---|
講師: | 源代裕治先生(ザインエレクトロニクス) |
日時: | 2020年10月13日(火)16:00-17:30 |
インターネット配信。 受講希望者は事務局(kuwana.anna[at]gunma-u.ac.jp)にご連絡ください。 ZoomのURLをお送りします。 |
|
概要: |
私の講義の2回目では、前回時間切れで触れられなかった20世紀における エレクトロニクスの歴史を軽く眺望したあと、本論である回路の定式化に進みます。 回路は当初より、部品間の接続関係によって特徴づけられる位相幾何(トポロジー)的 対象と考えられてきました。実際には部品の寸法や配置が性能に与える影響は無視 できませんが、逆に「回路はトポロジーだけで決まる」という命題の方を守るため、 それらの影響が回路図に現れない寄生素子によるものとして説明します。 こうして回路シミュレータは、キルヒホッフの電圧則(KVL)と電流則(KCL)に従って、 回路トポロジーから導かれる方程式を解けば良いように実装されています。 このように定式化された回路論は、19世紀の100年間をかけて天才たちが解明してきた 「電気とは何か」という問いからは独立したものになっています。それは 「回路とは何か」という問に対する回答です。しかし驚くべきことに、そこでは 「電流は配線の中を流れるものだ」という物理常識が消滅しているのです。 出来上がった回路論の枠組みを出発点に置くと、景色がどんなに違って見えるかを 一緒に眺めて行きましょう。 この講演は、群馬大学での講義を兼ねています。 講義のページ https://kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp/lecture/lecture.html |