題目: | 「回路の回り道 〜IV特性〜」 |
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講師: | 源代裕治先生(ザインエレクトロニクス) |
日時: | 2020年10月20日(火)16:00-17:30 |
インターネット配信。 受講希望者は事務局(kuwana.anna[at]gunma-u.ac.jp)にご連絡ください。 ZoomのURLをお送りします。 |
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概要: |
前回の講義では、回路論のフレームワークを学びました。それは 1. 回路が電位と電流が付与されたグラフであること、 2. 電流が保存されることが回路の公理であること、 3. 各branchのIV特性が回路特性を決めること、 というものでした。このフレームワークでは、Ohmの法則は法則ではなく 抵抗branchの定義になります。物理イメージや歴史的経緯を取り去り 論理的に単純化することで、驚くことに、電流から『流れる』という イメージが排除されます。回路のフレームワークには『動き』が入って いないのです。 しかし電流はbranchを通って、増えも減りもせずにnode間を伝わって 行きます。そこに『動き』を見出すのは、次回以降に考えましょう。 今回の講義(源代担当第3回)は、branch特性の理解を深めて行きましょう。 直線ブランチの複合ブランチがやはり直線ブランチであることを利用すると、 Thevenin等価回路、Norton等価回路が直ちに導けます。 豆電球branchのIV特性を部分的にNorton等価回路で近似すると、 電圧÷電流ではない抵抗値(あるいはconductance)が見えてきます。 同じことは『局所線形化』と呼ばれていますが、少し感覚が違いますね。 マクロに見るか、ミクロに見るか、という違いだろうと思います。 『回路の回り道』という主題に恥じないよう色々寄り道をしたいと思いますが、 講義の後半では、他のbranchの電流や電圧によってIV特性が決まって来る 『飛び道具branch』達を見て行きます。 ここで学ぶNorton近似と飛び道具branchは、能動素子たち(トランジスタや 真空管など)を回路論に組み込むための主要な道具なのです。 この講演は、群馬大学での講義を兼ねています。 講義のページ https://kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp/lecture/lecture.html |