題目: | 「回路の回り道 〜時間の導入〜」 |
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講師: | 源代裕治先生(ザインエレクトロニクス) |
日時: | 2020年10月27日(火)16:00-17:30 |
インターネット配信。 受講希望者は事務局(kuwana.anna[at]gunma-u.ac.jp)にご連絡ください。 ZoomのURLをお送りします。 |
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概要: |
これまでの講義で、回路論の土台が出来ました。それは 1. 回路が電位と電流が付与されたgraphであること、 2. 電流が保存されることが回路の公理であること、 3. 各branchのIV特性が回路特性を決めること、 というものでした。 我々の回路論は、電流が何者かを説明しません。ただ、それが満たす 性質を要求するだけです。(Hilbertの形式主義に従う立場です。) 「時間」も「長さ」も登場しません。従って 「電流が流れる速さ」なるものも、概念として存在しないのです。 このような非常識とも思える景色が、電気の歴史に先人たちが作った 足場を取り去り、骨組みだけ残すことで見えて来るのです。 さて、今回の講義(源代担当第4回)では、この回路論に「時間」を 導入します。それは、IV特性が時間微分で与えられるbranchを考える、 という形を取ります。回路論の土台はそのままなのですが、 そのようなbranchが入って来るだけで、驚くほど異なる理論展開と なります。 ストーリーとしては 1. 回路が満たす方程式の性質 2. 固有関数としての円関数と交流理論 3. 一般周期関数への交流理論の拡張(Fourier級数展開) 4. 積分変換としてのFourier変換とLaplace変換の導入 を、2回の講義で展開する構想です。内容として既習のものばかりと 思っています。しかし良く見かける課程では例えば、Laplace変換の衣を 着て交流理論を展開していたりして、論理的には相当混乱しています。 残念ながら、整理すれば分かり易くなるという訳にも行きません。 論理的な整合性を求めると、多くの概念を次々と導入する必要があり、 その中には通常の回路論では全く触れられない重要概念も登場します。 第1回の講義で紹介したWilesさんの言葉に倣って、覚悟して進みましょう。 この講演は、群馬大学での講義を兼ねています。 講義のページ https://kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp/lecture/lecture.html |